介護の仕事の良いところ(その2)
昨日の記事では、私の経歴から介護の仕事は「景気や世の中の変化に影響を受けることが少ない仕事」だよ、ということについて書きました。
今日は続きを綴っていきたいと思います。
まずはヘルパー2級を取得
そんなこんなで介護職を目指すことにした私は、まず手始めに訪問介護員2級、平たく言うとヘルパー2級の資格を取得することにしました。
介護の仕事で職探しをする前に、まずは必要な資格を取得することにしたのです。
介護の仕事を始めるために必ずしも資格が必要なわけではありません。
だけど、結構歳の行っている私が無資格未経験では、なかなか就職活動も大変だと思ったから、まずは資格取得をすることにしました。
未経験は仕方がないにしても、せめて資格くらいは取得してから介護の職探しを始めようと思ったわけです。
約3か月間だったと思います、ヘルパー2級の講座を受講し修了しました。
ヘルパー2級の講座は、正直苦痛でしかありませんでした。
それでも、ヘルパー2級の肩書きが欲しいがために約3か月間しんぼうしました。
実習先の老人保健施設での大きな体験
ヘルパー2級の講座で印象に残っていることは施設実習です。
ある老人保健施設に実習に行った時のこと、中年の女性介護職員が集団で利用者を罵っている光景に出会いました。虐待です。
なんとなく想像はしていましたが「介護の世界というのはこんなものか」とガッカリしたことを、昨日のことのように覚えています。
その老人保健施設では逆に救われたこともありました。
若い女性職員と二人でシーツ交換をした時のことです。
その女性職員が、「いい介護さんになってくださいね」と私に言ってくれました。
これは推測にすぎませんが、その若い女性職員さんも利用者を罵る職員たちを見ていて嫌気がさしていたのではないかと思います。
だから私にそんな言葉をかけてくれたのだと思います。
その老人保健施設での実習で技術や知識は何も学んではいませんけれど、その後の私にとってこの体験は大きな体験となりました。
こうしてヘルパー2級を取得した私は、介護職の就職活動を始めました。
ハローワークで「介護をなめないでください!」
はじめにハローワークの福祉の仕事窓口をたずねました。
窓口担当の女性の方に言われたことは今でもしっかりと覚えています。
「なんで介護なんですか?介護をなめないでください」
確かに私は介護をなめていたかも知れません。
それでもやろうと決めてヘルパー2級も取得したことを説明するとわかってくれました。
何社か事業所を紹介してもらい面接に行きましたが、4社続けて落ちました。
やっぱり簡単には行かないなあ、介護なめてたと思いました。
私が介護の職探しをしていた2011年頃は、リーマンショック後まだ間もない頃ということもあったのでしょう、面接は集団面接というところもあり、募集には結構人が集まっていました。
4社落ちたところで5社目に今の会社が採用してくれて勤めることになりました。
今の会社は2011年に採用されてから退職することなく今まで勤めています。
4社落ちた後に採用されましたから、「私を落とした4社よりぜったい良い事業所にしてやる」という思いはあります。
そんなこんなで勤め始めた私に、年上のおじさん先輩職員がこんな声を掛けてくれました。
「2ヶ月やってみい」
「2か月やってダメじゃったらワシが辞めえ言うたるわ」
結果今も勤めているわけですからダメじゃなかったのでしょう。
と、ここまで自分の経験ばかりで、介護の良いところをひとつも話していませんね。
これくらいにして、そろそろ本題に入って行きましょう。
介護の仕事に残業はほとんど無い
これを言うと介護職の方からは、「そんなことはない、残業はある!」と言われそうです。しかし、私がこれまで経験してきた他の仕事と比較して、圧倒的に残業は少ないです。
例えば、記録を勤務時間内に書き切れずサービス残業して書いたり、引き継ぎの勤務者が欠勤により残業したりすることはあります。だけどその程度です。
私は前職で広告業界に勤めていました。
電通社員の過労自殺なんてのも有名な話ですけれど、広告業界はとにかく残業が多いのです。
それに比べると介護職は、残業は無いに等しいです。
介護の仕事にはノルマや締め切りが無い
例えば営業職には売上ノルマがあったりします。
私が前職でやっていた広告関係の仕事は締め切りキツイです。
例えはクライアントが「このデザインを今日中に仕上げてください」と言ったらそれは、「明日の朝までに仕上げてください」という意味です。
そこで明日の朝までの徹夜が確定してしまいます。
クライアントに逆らうことは仕事がなくなることを意味します。だまってクライアントの言いなりになるしかありません。
介護職には、そうしたノルマや締め切りがありません。
入居系の施設の多くはシフト制勤務ですから、時間が来れば交代勤務者がやって来て勤務を引き継いでくれます。
介護の仕事は確かに体力を使います。しかし、時間が来ればきっちりと終えることができるので意外としっかりと休むこともできるし、自分の時間を持つこともできます。
介護の仕事は目の前の人に対して本気で取り組めばよい
介護の仕事の良いところについて、「残業が無い」「ノルマや締め切りが無い」の二つをあげました。
たったの二つですけれど、この二つは私にとってとても大切です。
介護の仕事は、売り上げだのノルマだのを気にすることなく、時間内に目の前の人のことについてだけに取り組むことができる仕事なのです。
私が以前にやっていたデザインの仕事では、本来は私が作ったデザインを見る人のことを考えてデザインがされるべきです。
ところが私のやっていたことは、クライアントのためのデザインでした。
クライアントの命令なら消費者をあざむくようなデザインもしなければならないのです。
例えば、美容業界などの施術前・施術後の写真を見てどう思いますか?
そういう業界に勤めていた私にとって介護の仕事は、今、目の前の人のことについて真剣に取り組むことができる良い仕事なのです。
本日はこれくらいで。
ほぼ私の体験記となってしまっていますが、今後も続きますのでお付き合いくださいね。
続きはこちらの記事をお読みください。