はじめちゃんの介護

主に高齢者介護の話しや各種試験対策など

介護の仕事 介護職の人間関係 介護職に必要な「価値」「価値観」について

 昨日の記事の中で「価値観」の話しを少ししました。

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 今日は「価値観」について綴って行きたいと思います。

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介護の仕事 介護職と「価値」について

 わたくしごとではありますが、私は2018年4月~2019年9月まで社会福祉士の通信課程を受講しました。

 通信課程受講の中で価値観について勉強する機会がありました。
 科目としては、『相談援助の基盤と専門職』、項目は『相談援助の理念』がそれにあたります。

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 価値観について勉強できたことは、社会福祉士通信課程を受講して良かったことのひとつです。

価値観とは

 「価値観」とはweblio辞書によると

どのような物事に価値を認めるか、という個人それぞれの判断基準を表す言葉。対人関係において、何に価値を見出すかという点が他人と異なることを「価値観の違い」と表現することがある。また、自分が持つ価値観を他人に押し付けることを「価値観の押し付け」と言う。

とあります。

価値とは

 では、価値観の元となる価値とはなんでしょうか?

 社会福祉士通信課程でテキストとして使用した『新社会福祉養成講座 相談援助の基盤と専門職 中央法規出版』を参考資料に綴って行きたいと思います。

 「価値」は複数の意味を持つ言葉である。価値は、

  1. 「よい」といわれる性質
  2. 好き嫌いの対象となる性質
  3. 団体や集団の構成員が共有するよい性質
  4. 誰もがよいとする普遍的な性質

などの意味で用いられる。とあります。

①「よい」といわれる性質

 例えば、先祖から大切に受け継いできた花瓶について、「この花瓶には価値がある」といったとすると、その花瓶は通常の花瓶を超えた「よい」とされる特別な性質をもっているということを意味する。

 「あなたの笑顔には価値があるね」と言われたとすると、その笑顔には「よい」とされる性質があることを意味する。

 価値のあるなしの判断は、金銭に換算できるものも、金銭に換算できないものも対象となる。

②好き嫌いの対象となる性質

 この意味で使われる場合、同じものに対して、人によって「価値がある」と判断する人もいれば、「価値がない」と判断する人もいる。

 例えば、「野外で自然とふれ合う」ことはある人にとってはとても価値のあることであり、そういう人は山や川へ出かけることやキャンプ活動のために時間とエネルギーをかけることをいとわない。

 一方、「野外で自然とふれ合う」ことにはあまり価値をおかず、むしろ「屋内で芸術的な創作活動をする」ことに価値を置く人もいる。
 そのような人は、山や川へ出かけることよりも、屋内での活動に時間とエネルギーをかけるであろう。

③団体や集団の構成員が共有するよい性質

 専門職集団には、その構成員で共有する価値がある。
 この価値は、個々の構成員の価値に影響を与える。

 例えば、ソーシャルワーカー集団は、専門職で共有する価値の実現を目指して実践をする。
 価値は、個々のソーシャルワーカーの実践の判断や方向性に影響を与えるので、ソーシャルワーカー集団としての価値を内在化しておくことが専門家として特に大切になる。

④誰もがよいとする普遍的な性質

 例えば、真、善、美などがあげられる。

 「真実」には価値があり、よいということ、逆に「偽り」は価値が低いということは普遍的に誰もが認めることであろう。

 また、例えば、「善い行い」は価値が高く、逆に「悪い行い」は価値が低い、ということも普遍的に承認されているであろう。
 しかし、どのような行いが「善い」もので、どのような行いが「悪い」ものであるかは、時代や社会背景などによって異なり、変化するという面がある。


 ここまで『新社会福祉養成講座 相談援助の基盤と専門職 中央法規出版』を参考に「価値」について説明してきました。

 「価値」について、なんとなく理解できたでしょうか?

価値の基準は人によって異なり変化するもの

 どうやら、「なにを「よい」とするかの基準は人によって違っていて、その基準は時代や社会的背景によって変化することもある。専門職には専門職が共有する価値があり、それは職場の構成員の価値に影響を与える。」ということがいえそうですね。

 そして③の「団体や集団の構成員が共有するよい性質」が、職場においては大切なような気がしますね。

正岡子規の教え

 明治時代の俳人、歌人として有名な正岡子規は、明治28年(1895)年に俳句の作法を論じた『俳諧大要』の中に、このように論じています。

美の標準は各個の感情に存す。各個の感情は各個別なり。故に美の標準もまた各個別なり。また同一の人にして時に従つて感情相異あいことなるあり。故に同一の人また時に従つて美の標準を異にす。

 つまり、美しいものが存在しているわけではなくて、美しさの標準は、美しいと感じる人の感情による。
 同じ人でも時によって感情は異なることがあり、同じ人でも時に従って美の標準も異なるのです。といった意味になると思います。

 


 この記事は、職場の人間関係についての続きの記事です。

 どうやら、「職場の人間関係を良好に保つには、価値や価値観について知ること、人が、自分がどういう価値観を持っているのか、自分の傾向を知ること(これを「自己覚知」という)が大切だ」ということがいえるのではないかと思います。

 続きます・・・。

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〈参考文献〉『新社会福祉養成講座 相談援助の基盤と専門職 中央法規出版