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新型コロナウイルス感染症対策 基本のキ 簡単で大切な2つのこと

新型コロナウイルス感染症対策 基本のキ

 介護施設では、どこの施設でも新型コロナウイルス感染症対策に苦慮していることと思います。
 はっきりとした数字の根拠はありませんが、どこの介護施設でも、利用者や介護職員に1度以上は新型コロナウイルス感染症が発生しているのではないでしょうか?
 私の勤める施設でも、クラスターには至りませんでしたが、これまでに3度新型コロナウイルス感染症が発生しています。

 さて本日は、新型コロナウイルス感染症対策で最も簡単で最も大切なことについて、私の考えを書いていこうと思います。

 結論から言うと、介護施設での新型コロナウイルス感染症対策で最も大切なことは、「手洗い」と「マスク・フェイスシールド着用」この2つです。
 これに尽きます。

 ではまず、感染症について説明していきましょう。

感染症が成立するための3要素

 感染症が成立するためには3つの要因があります。

  1. 病原体(ウイルス)
  2. 感染経路
  3. 宿主(「しゅくしゅ」と読みます)
病原体(ウイルス)

 そもそも病原体(ウイルス)がなければ感染症は当然に発生しませんね。新型コロナウイルスというものがあるから、新型コロナウイルス感染症が発生するのは言うまでもないことです。

感染経路

 ウイルスがどこかに存在していても、それが私たちのところまで運ばれてこなければ感染症は発生しませんね。
 感染経路については後述します。

宿主(しゅくしゅ)

 宿主とはウイルスが寄生するもののことを言います。
 ウイルスは、単体で長時間生き続けることができません。ヒトや動物、食物などに寄生して生き、伝播して拡大して行きます。

 つまり感染症を防止するためには、病原体、感染経路、宿主を排除・遮断してやれば良いわけです。

感染症の3要素を排除・遮断するには

 では、これら3つを排除・遮断するためには、何を行えばよいでしょうか?

病原体

 病原体そのものを排除することが、私たち介護職の手でできるでしょうか?
 それ自体を無くすことは、私たち介護職には難しい、というかはっきり言って無理ですね。

宿主

 順番が前後しますが、先に宿主の説明をします。

 例えば、インフルエンザなどは鳥に寄生することがあります。
 「養鶏場で鳥インフルエンザが発生して鶏をすべて殺処分した」というニュースを聞くことがあります。それなどは、渡り鳥によって、渡り鳥が宿主となりウイルスを運び、養鶏場の鶏に感染して起こることです。

 鳥インフルエンザならば、鶏を殺処分すれば宿主を排除できるかもしれません。しかし新型コロナウイルスの場合、宿主であるヒトを殺処分することはできませんよね。
 なので、宿主(ヒト)のウイルスに対する抵抗力を上げることが大切になります。
 そのために行っていることのひとつがワクチン接種です。

 いろいろな意見はありますが、ワクチン接種は新型コロナウイルス感染症対策として有効とされています。

 あとは、睡眠や栄養をしっかりとって抵抗力を上げることが大切です。
 介護職の場合、夜勤や変則勤務があって、十分な睡眠や栄養摂取などにより抵抗力を上げることは難しいかもしれません。

 また、介護施設で過ごす高齢者は、そもそも高齢で基礎疾患を持ち、抵抗力の低い方がほとんどです。

 宿主の抵抗力を上げるという意味では、ワクチン接種のほかに有効な手立てはないかもしれません。

 上記の通り、病原体(ウイルス)の排除、宿主の抵抗力を上げることは、困難だと言えます。

感染経路

 では最後に、感染経路について説明します。
 結論を言うと、感染経路を遮断することが、最も簡単で最も大切なことだと考えます。

感染経路を遮断するには

 感染経路には、大きく分けて次の4つがあります。

  1. 接触感染
  2. 飛沫感染
  3. 空気感染
  4. 血液感染
血液感染

 順番が前後しますが4の血液感染で代表的なものには、B型肝炎やC型肝炎、HIVなどがあります。
 新型コロナウイル感染症については、血液感染を考える必要はないかもしれませんが、介護職としては、そもそも血液は汚染物質として考える必要がありますね。

空気感染

 空気感染の代表的なものには、結核などがあります。
 新型コロナウイルスは空気感染する?という報告を聞くこともあります。
 空気感染するとなると、介護施設においては換気をするくらいしか手立てが見つかりません。

 仮に空気感染するとなると、感染者は病院に入院して隔離して治療してもらわなければ、施設ではどうすることもできません。

接触感染・飛沫感染

 最後に接触感染と飛沫感染をまとめて説明します。

 新型コロナウイルスは、接触感染と飛沫感染により伝播します。だから私たちは、手洗い、マスクをします。
 最初にこう言いました、「介護施設での新型コロナウイルス感染症対策で最も大切なことは、「手洗い」と「マスク・フェイスシールド着用」この2つです」と。

簡単で大切なことを徹底して行う

 介護施設では感染症対策の研修を必ず行います。その中では、ガウンテクニックやゾーニングなど、難しいことを学びます。
 もちろんそうしたことは大切です。
 だけどそれは感染症が発生した後のことですし難易度の高いことです。

 それ以前に、最も難易度が低くて最も大切なことがおろそかになっていませんか?

 そうです。「手洗い」「マスク・フェイスシールドの着用」です。
 それを行って、接触感染、飛沫感染を防止するのです。感染経路を遮断するのです。
 私たち介護職ができる最も簡単で最も大切なことなのです。

 マスクはちゃんとできていますか?マスクから鼻が出ていませんか?
 直接介助をするときにはフェイスシールドの着用により飛沫感染を防止することも有効です。

やけくそに手洗いアホみたいに手洗い

 手洗いはちゃんとできていますか?

 手洗いは「流水で30秒以上」と教わります。
 流水で30秒以上きっちりやろうと思うと、結構難易度が上がりますね。
 もちろんきっちりと流水で30秒以上できれば言うことはありません。私は(怒られるかもしれませんが)とにかく手洗い、何か触ったら手洗い、やけくそに手洗い、アホみたいに手洗いを心がけています。

 何かをやろうとしたときに、難易度の高いことは実現しない可能性が高いです。だって難易度が高いのですから。

 それよりも、難易度の低いことをアホみたいにやった方が実現する可能性が高くなります。
 スポーツでストレッチや基礎練習をしっかりやるのと同じことです。それをしなければ体を壊す可能性が高くなります。

 私たち介護職と新型コロナウイルスとの戦いはまだまだ続くと思われます。
 手洗い、マスク・フェイスシールド着用をしっかりと行って、感染経路を遮断しましょう!