パルスオキシメータとはなにか?その必要性について
新型コロナウイルスが猛威を振るい緊急事態宣言が発令される中、埼玉県では、新型コロナウイルスの軽症患者とされた50代男性の容体が自宅療養中に急変し死亡する、ということが起きました。
これを受けて埼玉県知事は、「血液中の酸素濃度を測る測定器 パルスオキシメータの配備を急ぐ」ということを言っています。
パルスオキシメータってなに?
私たち介護従事者は、日常的にパルスオキシメータを利用者に対して使っていますので知っています。しかし、一般の方にはなじみのない言葉ではないでしょうか。
日本呼吸器学会のサイトには次のようにあります。(抜粋)
パルスオキシメータは、皮膚を通して動脈血酸素飽和度(SpO2)と脈拍数を測定するための装置です。
呼吸により肺から取り込まれた酸素は、血液を通して全身に運ばれます。酸素飽和度(SpO2)とは、血液中のヘモグロビンに何%酸素が結合しているか、を調べた値です。
酸素飽和度(SpO2)は肺の病気などで酸素を体内に取り込む力が落ちてくると下がります。
一般的に96~99%が標準値とされ、90%以下の場合は十分な酸素を全身に送れなくなった状態の可能性があるため適切な対応が必要です。
〈参考文献〉『日本呼吸器学会 呼吸器Q&A パルスオキシメータとはどのようなものですか?』
そうした状況を知るため、知るための目安としてパルスオキシメータで酸素飽和度(SpO2)を測定します。
この度埼玉県知事が前述のようなコメントを出したのは、「新型コロナウイルスで自宅療養中の患者の状態を知るために配備が必要だ」という意味で言ったのでしょう。
どんな時にパルスオキシメータを使うのか?
私たち介護従事者は、現場で熱発など体調不良の方が出ると酸素飽和度(SpO2)を測定します。体調不良でなくとも入浴前などには測定しています。
その数値により、大まかな様子を知ることができるからです。
数値を知ることにより、入浴を控えようとか、医療機関を受診しよう、主治医に相談しよう、あるいは救急搬送しようといった判断をします。
酸素飽和度(SpO2)の数値がただちに病状の診断になるわけではありませんが、数値の異常は何らかの異常があるのではないか、という判断基準になります。
詳しくは医療機関を受診して、血液検査やCT検査など、詳しい検査を受けることになります。
パルスオキシメータを一般の方は買うことができないのか?
パスルオキシメーターは医療機器で一般の方は買うことができない、と思われるかもしれませんが、実は一般の方でも簡単に買うことができます。
価格も最近では安くなり、5,000円くらいからあるようです。
その辺のドラッグストアーに置いてはいないでしょうが、楽天やアマゾンといった通販サイトでは普通に販売されています。
パルスオキシメータの必要性について
パルスオキシメータを製造しているコニカミノルタのサイトにはこのようにあります。
パルスオキシメータの数値によって、新型コロナウイルスの感染判断はできません。
病状の重症度の判断には有効で、急性呼吸不全を起こす可能性のある慢性疾患患者様の日常管理や、医療機関・介護施設などでの患者様・入所者様の病状判断に重要な製品です。
急性呼吸不全を起こすリスクの高い家族がおられない一般家庭で、パルスオキシメータを感染予防目的のために購入されることはお避け下さい。
本当に必要な方への供給を優先いただきますよう、お願い申し上げます。
〈参考文献〉『コニカミノルタ パルスオキシメータ知恵袋 基礎編』
パルスオキシメータ不足を起こしてはならない
健康な方がコロナウイルスに対して過剰に反応し、パルスオキシメータを買うようなことはオススメしません。
マスクが市場から無くなるように、パルスオキシメータ不足が起こるようなことがあってはならないのです。