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介護の仕事・職場の探し方 基本給・手当 処遇改善加算はどのように付与されるか

介護の仕事・職場の探し方 処遇改善加算の付与について

 昨日の記事では、処遇改善加算についてザックリと説明しました。

hajimechan2001.hatenablog.com

 今日は、処遇改善加算の給与への反映の仕方、処遇改善加算が介護職の給与へ実際にどのように付与されるのか、どのような付与のされ方が望ましいのかについて私の考えを綴りたいと思います。

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処遇改善加算はどのように実施されるべきか

 厚生労働省が平成30年3月22日に各都道府県知事へ通知した『介護職員処遇改善加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について』より引用します。

 それによると、

 介護サービス事業者等は、加算の算定額に相当する介護職員の賃金(基本給、手当、 賞与等(退職手当を除く。以下同じ。)を含む。)の改善(以下「賃金改善」という。) を実施しなければならない。
 賃金改善は、基本給、手当、賞与等のうち対象とする賃金項目を特定した上で行うものとする。この場合、特定した賃金項目を含め、 賃金水準(賃金の高さの水準をいう。以下同じ。)を低下させてはならない。また、 安定的な処遇改善が重要であることから、基本給による賃金改善が望ましい。

 このようにあります。

 これを簡単にまとめると、

  1. 事業者は加算の算定額に相当する介護職員の賃金改善をしなければならない。
  2. 賃金改善は「基本給」「手当」「賞与」などで行う。
  3. 賃金水準を下げてはならない。
  4. 基本給による改善が望ましい。

 さらにかみ砕いて言うと、

 『処遇改善加算は全額介護職に与えなければダメですよ!基本給や手当・賞与などで与えてくださいよ!基本給を上げることが望ましいですよ!』

ということです。

処遇改善加算はどのように付与されることが望ましいのか?

 前述のように厚労省は、基本給・手当・賞与などで付与しなさい、基本給で付与することが望ましい、と言っています。

 付与の仕方は、事業所にゆだねられています。
 基本給に付与する事業所もあれば手当として支給する事業所もあります。それらを併用している事業所もあります。

 厚労省が「基本給による賃金改善が望ましい」と言っているように、私も基本給に付与することが望ましいと思います。

処遇改善加算を基本給に付与することが望ましい理由

 例えば、「処遇改善手当」として給与明細に記載されている事業所があります。
 その事業所では処遇改善加算を「手当」として支給しているわけです。

 一方で、基本給で付与されている事業所では、基本給の中に処遇改善分が含まれているわけですから、給与明細を見ても処遇改善分がどれだけ基本給に付与されているかがはっきりとわかりません。

 そうしたことを考えると、基本給に付与されるよりも手当として支給された方が良いように思うかもしれません。

 だけど私は、基本給に付与される方が良いと思います。

 なぜなら手当は無くなるかもしれない、基本給は下げられないからです。

手当はいずれなくなる可能性がある

 介護保険制度は3年に一度見直し、改正が行われます。

 処遇改善加算は、2009年に創設し2011年まで実施されていた「介護職員処遇改善交付金」を引き継ぐ形で、2012年に運用が始まりました。

 こうした制度ができるのは、介護職にとって喜ばしいことです。しかし、創設された制度が永遠に続く保障はどこにもありません。

 できたものは無くなる可能性もあるのです。

 「手当」という形で付与されていた場合、処遇改善加算という制度そのものが無くなってしまったら、手当も無くなってしまいます。

基本給は簡単には下げることができない

 逆に基本給に付与されている場合はどうでしょう。

 基本給というのは、よほどの不祥事でも起こさない限り簡単には下げることはできません。
 一度上げた基本給を簡単に下げることはできないのです。

 もし処遇改善加算という制度が無くなってしまっても、事業所は一度上げた基本給を簡単に下げることはできません。

 ということを考えると、手当として付与されるよりも、基本給に付与される方が望ましいと私は思います。

 厚労省が『基本給による賃金改善が望ましい』というのも、そうした狙いがあるのではないかと私は思っています。
 事業所に介護職の基本給の水準を引き上げさせて下げさせないようにする、という狙いがあるのではないかと思います。

 逆に事業者側からすると、手当として付与する方が処遇改善加算が廃止になった時のリスクに備えることができる、ということになります。

 そうしたことを考えると、手当として給付する事業所より、基本給に付与する事業所の方が従業員にとって良い事業所ではないかと私は思います。

 面接などでは少々聞きにくいかもしれませんが、処遇改善加算は手当で付与されるのか、基本給に付与されるのか聞いても良いと思います。

 求職者に対してそういうことをハッキリと答えられない事業所は、どうかと思います。

次回はキャリアパス制度や昇給の仕組みなどについて

 今日のところはこのくらいで。
 次は、処遇改善加算の導入により設けられたキャリアパス制度や昇給の仕組みなどについて説明したいと思います。

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