はじめちゃんの介護

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介護福祉士を取得するメリット(利点)介護福祉士になるということの意味 何が求められるのか

介護福祉士を取得するメリット(利点)意味について

 ツイッターで「介護福祉士なんて意味が無い」というような意味合いのことを言う人がいて盛り上がっています。

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 今日は、介護福祉士を取得する、介護福祉士になるメリットについて、過去記事をリライトして綴ってみたいと思います。

メリットとは?利点・価値

 まず、『メリット』という言葉についてですが、何気にメリットという言葉を使っていますが、メリットという言葉の意味を正しく理解しなければ、問いに答えることはできません。

 『メリット』とは、ググってみると「利点」「価値」という意味と受け取ることができます。

介護福祉士になる「なる」とは?

 それから、「介護福祉士になる」の「なる」についてですが、「なる」にはいろいろな意味があると思われます。ここでは介護福祉士を取得する。という意味と捉えたいと思います。

 なぜなら、介護福祉士の試験に合格して登録証を手にしたからといって、それは資格証を手にしただけで介護福祉士になったと言えるわけではないからです。

 資格の上で、介護福祉士を取得したに過ぎないからです。介護福祉士を取得するということは、介護福祉士を名乗るための資格証を手にしたに過ぎないのです。

介護福祉士を取得するメリット(利点)について

 さて、それでは、介護福祉士を取得するメリットについて考えていきましょう。
 ここではまず、介護福祉士を取得する「利点」について考えてみたいと思います。

 介護福祉士を取得する「価値」についても考えていきたいところですが、それを考えようとすると「価値」の意味について理解する必要があります。
 「価値」について理解するには、またかなりの説明を要しますので、今回は価値については割愛させていただいて、また改めて価値の話はしたいと思います。

 では、介護福祉士を取得する「利点」(メリット)について考えていきましょう。

利点のひとつは報酬

 利点のひとつは、お金(報酬)の面です。介護福祉士を取得すると給料に資格手当が付きます。

 私の職場では、介護福祉士の資格手当は1万円ですから、単純に介護福祉士を取得するだけで年収が12万円アップします。

 それは、介護の仕事を始めたばかりの頃の私にとって大きな魅力でしたし、大きな利点でした。
 その利点を手にするために、3年間実務経験を積んで介護福祉士の受験資格を手にすることを目標にしていました。

 そういう意味で、今でも介護福祉士の資格手当は確実に給料に付いているわけですから、介護福祉士を取得するということには、お金という利益があります。

職場目線での利点 加算と信頼

 職場側の目線からすれば、介護福祉士を多く雇用することで、例えば「サービス提供強化加算」などの加算を介護報酬に算定することができますから、会社の目線で考えても介護福祉士を雇用するということは利点があります。

 ただし会社目線では、資格手当などの人件費出費も増えますから、介護福祉士を多く雇用すれば単純に会社の利益が増えるというわけではないでしょう。

 会社目線で考えた介護福祉士を多く雇用することの利点の一つは、「信頼」にあると思います。

 無資格の者を多く雇用するより、介護福祉士を多く雇用した方が利用者や地域からの信頼を得ることができるのだと思います。
 だから介護福祉士取得者を雇用するし、無資格で入職した者には実務者研修を受講させて介護福祉士の取得をすすめます。

資格がないから知識や技術が無いわけではない

 ここでひとつ注意したいことは、介護福祉士を取得していないから技術や知識がないとか、無資格だから信頼できないということではありません。

 私の勤める職場でも、3年以上勤めていても介護福祉士を取得していない人もいます。
 試験に落ちたわけではなく、そもそも介護福祉士を取得しようとしていない人もいます。

 そうした人たちが信頼できないわけではありません。そうした人たちが、仕事ができないわけではありません。

 そうした人たちも介護に対する技術や知識を持ち仕事をしています。試験を受けなくても、技術や知識を持つことはできるのです。

 ではなぜ、介護福祉士という資格を取得するのでしょうか?その利点は何でしょうか?

車の運転免許に例えて考えてみる

 車の運転に例えて考えてみましょう。

 車の運転をするには、運転免許が必要ですか?
 多くの人は必要ですと答えるでしょうが、答えはノーです。

 免許を持たなくても、車を運転する技術と知識があれば車を運転することはできますね。

 「でも免許がなければ公道を走行することはできない」という人もいると思います。それもノーですね。

 運転免許を持たなくても、公道を走行することはできますね。実際、無免許で運転する人もいますね。

 ただしそれをして、それをしたことが例えば警察などにわかってしまうと処罰される可能性があります。

フグ調理師免許に例えて考えてみる

 もうひとつ例を出します。

 フグを調理するには、フグ調理師免許が必要ですね。

 でも時々、家庭でフグを調理して食べて死亡した、というニュースがあったりしますね。

 免許を持たずフグを調理すると罰せられる可能性があるだけで、免許を持たなくてもフグを調理することはできるのです。

免許の持つ信頼について

 ここで皆さんにお聞きします。

 無免許の人が運転するタクシーに乗りたいですか?
 無免許の人が調理したフグを食べたいですか?

 答えはたぶんノーだと思います。

 それが免許の持つ信頼なのだと思います。
 車を運転する技術と知識を持っていることを証明するのが運転免許証であり、フグを調理する技術と知識を持っていることを証明するのがフグ調理師免許なのです。

免許を取得しても不適切な人はいる

 介護福祉士に置き換えて考えてみましょう。

 介護福祉士は、介護を提供するための技術や知識や経験をこの国が、厚生労働大臣が証明する国家資格なのです。

 もう少し考えてみましょう。

 運転免許証を持っている人は、みんな優良ドライバーですか?
 そうではないですよね。

 運転免許を持っていてもスピード違反や飲酒運転、あおり運転をする人もいます。
 運転免許を持っていても、運転をするための心構えを持っていない人はたくさんいるのです。

 介護福祉士はどうでしょう?

 介護福祉士を取得していても、不適切なケアを行ったり、虐待を行ったりする者は残念ながら存在しますね。
 介護福祉士を所持していても、介護を仕事として行うための心構えを持っていない人は残念ながら存在しているのです。

免許は資格を取得しているという証明書に過ぎない

 つまり、運転免許にしても、フグ調理師免許にしても、介護福祉士にしても、それは、その試験に合格したことを証明する紙に過ぎないということです。

 一生懸命勉強して取得したものを紙きれ扱いするようで申し訳ありませんが、証明書自体に価値があるわけではありません。それは、試験に合格したことを証明する紙に過ぎないのです。

大切なのは免許の価値を問うことではない

 大切なことは、証明書の価値を問うことではなく、その業務に携わることからの問いに答え続けることだと思います。

 タクシードライバーは、お客さんを安全に気持ちよく目的地に運ぶことを日々考えています。フグ調理師は、安全においしくフグを食べてもらうことを日々考えています。

 介護の仕事は、タクシーの運転やフグの調理と違って、資格を持たなくても行うことができます。
 介護福祉士を持たなくても介護の仕事に携わることができます。

 私たち介護福祉士は、介護職は、日々何を考えなければならないのでしょうか?
 その問いに日々答え続けることが求められるのだと思います。

資格はそれを行うための持ち物

 私は、資格を持ち物と考えています。

 なにかを行おうと思った時に、それを行うために必要な持ち物を持っていないとできないことがあります。

大工さんは道具を磨く

 大工さんに例えて考えてみましょう。

 大工さんは、ノミやカンナ、ノコギリといった道具(持ち物)を使って仕事をします。それが無ければ仕事はできません。

 大工さんは良い仕事ができるように、常に道具を最良の状態に保っています。

 道具を最良の状態に保つために、ノミやカンナの歯を砥ぎ、ノコギリの目立てを行います。
 大工さんは、常に良い仕事を行うことができるように道具を磨くのです。

 大工にも、建築大工技能士、木造建築士といった資格はありますが、それが無くても大工にはなれます。

 「なる」について前述しましたが、「大工になる」とは、施主さんに満足してもらえる仕事ができる、施主さんに満足してもらえる家を建てることができる、ということでなないでしょうか。

介護職は何を磨く?

 介護職には、介護福祉士という資格がありますが、それが無くても介護職にはなれます。

 「介護職になる」とは、利用者の生活の質を向上することができる、介護を行うことにより利用者を幸せにすることができる、ということではないでしょうか。

 資格は持ち物と言って舌の根も乾かぬうちですが、介護福祉士という資格は道具ではありません。前述のとおり、試験に合格して登録したことを証明する紙に過ぎません。

 大切なことは、大工さんが道具を磨くように、私たち介護職もその知識や技術や考え方を常に磨き続けることです。

 介護福祉士を取得するためには経験を積み、勉強して知識を蓄えたはずです。

 私たちが利用者の介護に関わることにより、利用者を幸せにすることができるように、その知識や技術や考え方を常に磨き続けることが必要なのです。