介護の仕事・職場の探し方 処遇改善加算について
本日は、介護の仕事の探し方(良い職場の見つけ方)、処遇改善加算について綴ってみようと思います。
前回の記事はこちら
処遇改善加算って何なの?
処遇改善加算とは、正確に言うと「介護職員処遇改善加算」と言います。
その名のとおり、介護職員の処遇を改善するために介護報酬に対して加算されるものです。
さらに令和元年10月からは、消費税の増税に合わせて「介護職員等特定処遇改善加算」(通称、特定処遇改善加算)も導入されました。
処遇改善加算と特定処遇改善加算の詳しい説明から入ると、めちゃめちゃ長い記事になってしまいますので、そこは省略されてもらいます。
詳しいことを知りたい方は、「処遇改善加算とは」などでググるといくらでも出てきますので、ご自身でお調べになってください。
ここではザックリと説明をさせていただきたいと思います。
処遇改善加算の種類
介護職員処遇改善加算(以下、処遇改善加算)には、加算Ⅰ・Ⅱ・Ⅲの3種類があります。
正確には加算Ⅰ~加算Ⅴの5種類がありますが、加算ⅣとⅤは廃止となることが決まっていますので、Ⅰ~Ⅲの3種類とします。
加算Ⅰ~Ⅲのうち、Ⅰが最も加算率が高く、次いでⅡ、Ⅲとなります。
特定処遇改善加算の種類
介護職員等特定処遇改善加算(’以下、特定処遇改善加算)には、加算ⅠとⅡの2種類があり、Ⅰの加算が高くなっています。
処遇改善加算は介護職の処遇を改善することのみに使われる
処遇改善加算はその名のとおり、従業員(介護職員)の処遇を改善することに直接充てられます。設備投資や内部留保などに充てることはできません。
介護職の処遇を改善すること、つまり介護職の給与に直接当てられるものです。
処遇改善加算のⅠ~Ⅲのどれを取っているかが重要
介護の職場探しをする時は、この処遇改善加算のⅠからⅢのどれをその事業所が取っているか、ということが重要になります。
なぜなら、それは直接介護職の給与に関わることだからです。
加算Ⅰを取っている事業所と、Ⅲを取っている事業所では、単純に考えてⅠを取っている事業所の方が収入が多くなる可能性は高くなります。
処遇改善加算Ⅰ以外は考えられない
事業所が処遇改善加算Ⅰを取るための要件は色々とありますが、一部を紹介すると、
- 経験年数や勤続年数に応じて昇給する仕組み
- 資格取得(または保有)により昇給する仕組み
- 人事評価や試験結果により昇給する仕組み
これらを整備することなどが求められています。
逆に言うと加算Ⅰを取っている事業所は、従業員のためにそれらを整備している事業所、加算Ⅰを取るための努力をしている事業所である、ということが言えます。
さらに言うと加算Ⅱ以下を取っている事業所、あるいは加算を取っていない事業所は、従業員のための努力を怠っている事業所である、ということが言えます。
面接の時には必ず、処遇改善加算の何を取っているかを確認してください。
なお、特定処遇改善加算は(詳しくは説明しませんが)、処遇改善加算とは少し違い、事業所の努力だけでⅠが取れるとは限りませんので、Ⅱでもやむなしとします。
もちろんⅠの方が加算率が高いので良いことは言うまでもありません。
介護の職場探しをする時は、必ず処遇改善加算Ⅰを取っている事業所を選ぶべきだ、と私は思います。
処遇改善加算はどのくらいの金額になるのか?(仮)
話しをわかりやすくするため、ザックリとした感じで説明したいと思います。
例えば介護職員数20人、年商2億円(加算前)の老人ホームだったとします。
年商2億円のうち半分の1億円が家賃や食事代など、残りの1億円が介護報酬(加算前)だったとします。
事業所で処遇改善加算Ⅰと特定処遇改善加算Ⅱを取っており、合わせた加算率が10%だったとします。
介護報酬1億円に対して加算率が10%ですから、加算分が1,000万円ということになります。
その1,000万円が介護職員20人の処遇改善に直接当てられます。
これは話を分かりやすくするための仮設の話しですが、単純計算で1人当たり年間50万円支給されることになります。
処遇改善加算を取っていない事業所では、これが一切付かないわけですから、その差はとても大きくなります。
以上、処遇改善加算のことをザックリと説明しました。
今日のところはこのくらいで。
次回は、処遇改善加算の給料への反映の仕方について説明したいと考えています。