社会福祉士通信レポート実例 高齢者に対する支援と介護保険制度
私が、社会福祉士国家試験受験資格取得のために受講した社会福祉士一般養成課程(通信課程)で、実際に提出したレポートです。
『高齢者に対する支援と介護保険制度』の課題、「認知症ケアにおけるコミュニケーションスキルの大切さと具体的な方法について論じなさい」(2019年5月)。
科目名/高齢者に対する支援と介護保険制度
課題/認知症ケアにおけるコミュニケーションスキルの大切さと具体的な方法について論じなさい
点数/95点 評価/優
認知症を持つ人の側面を理解する時に、知的機能の低下、役割の喪失感、過去の生活史情報の把握不足などが原因となって、本来備わっているその人の力を認められない状況がある。記憶障害や見当識障害などのBPSDは、不安や混乱などの大きな原因となる。BPSDは、「その不安や戸惑いが呼び起こす思いを相手に伝えるためのメッセージでもある」と捉え、援助者が、認知症を持つ人の気持ちを汲み取ろうとするならば、認知症を持つ人が自分らしい生活を取り戻し、QOLの高い生活をおくる可能性を広げることができる。あらゆるコミュニケーションの場面を通じて認知症を持つ人の背景を理解することが大切なのである。
コミュニケーションには、情報の伝達と人と人の共同世界の構築という二つの機能がある。認知症を持つ人には、現実世界の事実とは異なる主観的な世界が存在する。それを共感して受け止めることが援助者に求められ、受け止めていることを、認知症を持つ人に伝えるためのコミュニケーションスキルが必要となる。コミュニケーションスキルは、認知症を持つ人一人ひとりの個別的な症状とBPSDによる影響を鑑みて選択する必要がある。
コミュニケーションの伝達経路(チャンネル)には、言語的チャンネルと非言語的チャンネルがあり、両者によって複雑なメッセージが伝わる。前者では話し言葉や書き言葉の言葉によるコミュニケーション、後者はジェスチャー、表情、身体的接触、声の調子などの言葉以外のコミュニケーションである。
コミュニケーションで言葉によるものは2~3割であるが、言葉以外のチャンネルは7~8割を占める。言語と非言語のチャンネルが矛盾した意味内容を伝える場合には注意が必要となる。言葉と裏腹の思いをどのように相手に寄り添い受け止めるかが大切となる。
二者間のコミュニケーション過程においては、双方向のコミュニケーションが基本となり、欠かせない考え方である。援助者が送り手になる場合は利用者が受け手であり、双方向のコミュニケーションでは同時に逆も展開されている。双方向のコミュニケーションとして理解するからこそ、援助者が自分自身の行動や理解を変化させることによって、利用者に適切な援助を行うことができるのである。
また、コミュニケーションの要素には環境がある。例えば、性別、年齢、生活史、家族歴、価値観といったことを知ることを通して把握することができるような内容である。認知症を持つ人の世界に寄り添うことから始まり、究極的には決して重なり合うことのない環境を、専門の学習や体験を通して近づけていく方法が必要となる。認知症を持つ人の育った状況に思いをはせ、その人の価値観や基盤、見ている視点に気づくことが欠かせない。
認知症を持つ人には、BPSDや障害の部分に目が行きがちである。適切なコミュニケーションのためには、相手の問題と同時に、その人の強さを見ることが欠かせないのである。
〈参考文献〉
『高齢者に対する支援と介護保険制度』 中央法規出版
『社会福祉学習双書 老人福祉論』 全社協
『認知症ケア標準テキスト 改訂・認知症ケアの実際Ⅰ:総論』 日本認知症ケア学会 編
『その人らしさをいかす医療介護福祉』 星野正明・小池将文 監修 内田富美江・土田耕司 編 あいり出版
〈次回予告〉
『就労支援サービス』障害者と就労支援のあり方について説明しなさい
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