はじめちゃんの介護

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転倒・事故の報告はイヤなもの 事故報告の上手なやりかた 介護・事故

事故報告の上手なやりかた

 相談員という仕事をしていると、利用者の健康状態や事故について家族へ報告の電話をすることがしばしばあります。というか、報告の電話をしない日はほぼありません。
 事故や骨折などの報告の電話をするのが好きな人なんて居ないでしょう。もちろん私もできることならしたくはありません。
 だけど私は、電話をするのはイヤだけど伝えることは割と上手な方かも?と自分では思っています。
 電話対応でクレームを受けたことなどもありませんし、たぶん上手な方なのだと思います。

 今日は、そんな私が実践している、事故や骨折などの電話報告の仕方について綴ってみたいと思います。

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前置きは、まずは重大なことか、そうでないのか

 電話をした時にまず伝えるべきことは、その電話の内容が、重大なことなのか、そうでないかです。

 例えば、たいして重大ではないことの場合は、最初に「緊急性のあることではありませんが」などと前置きをして話をはじめます。
 逆に重大な要件の場合は、「心配なお知らせなのですが」などと前置きをします。
 それにより、話を聴く側に身構えてもらいます。
 たいして重大でないことの場合は、最初の一言でほっとできますし、逆に重大な要件の場合は、これから重大なことを聞かされるよ、という心の準備をしてもらいます。

結論を一番に言う

 前置きが終わったら次に言うべきことは、話の結論です。特に緊急性のある内容の場合は、どういう状態なのかを一番に伝えます。

 例えば、転倒して骨折が疑われる場合は、「先ほど〇〇様が転倒されました。強い痛みの訴えがあるので、骨折の可能性が高いです。」などと、転倒したという事実と、骨折の可能性が高いということをまず伝えます。

状況の報告は相手が求めて来たら

 やってはいけないのは、状況の説明から入ることです。

 例えば、「〇〇さんが、リビングへ一人でいらしていて転倒されたようです」みたいな説明の入り方は、相手に不信感を抱かせます。
 「〇〇さんが一人で歩いていた、私たちには責任はない」と言い訳をしている、責任逃れをしているように感じます。
 なので、「転倒した」という事実と「骨折」の可能性を最初に伝えます。
 状況の説明は、相手が求めて来たらで構いません。求められもしないのに、こっちからペラペラ話すと、言い訳にしか聞こえません。

どういう対応をするのか

 結論を最初に伝えたら、次に伝えるべきことは、「どういう対応をするのか」ということです。

 例えば、明らかに骨折の可能性が高い場合は、「救急を受診します」「救急車を呼びます」といったことを報告します。
 骨折の疑いはあるけれど明らかではない場合は、「まずは近医の整形外科を受診します」などと報告します。

受診内容の報告

 救急にせよ近医にせよ受診をしたら、受診内容を報告します。
 ここまでで初期対応は終了です。あとは、その後の経過を報告していきます。

一番やってはいけないのは言い訳

 先にも書きましたが、一番やってはいけないのは言い訳です。起こったこと、事実を正確に誠意を持って伝えましょう。

 聞かれてもいないのに、状況の説明をペラペラしゃべったりするのは、言い訳っぽく聞こえます。

あやまらない

 事故の報告をする時には、「申し訳ありません」と謝罪の言葉を出しがちです。
 私は、「申し訳ありません」とは言いません。
 もちろん、明らかに私たちに過失がある場合は謝罪の言葉を述べますが、そうでない場合は謝りません。

 ではどう言うかというと、「ご心配をおかけします」と言います。
 ご家族にご心配をおかけしているのだから、「ご心配をおかけします」です。

起こったらすぐに電話する

 事故報告の電話をするのはイヤなものです。「どう話そうか」と考えているうちに時間が経ってしまいます。
 「どう話そうか」と考えていることが、言い訳の仕方を考えることになってしまいます。
 事故が起こったらすぐに、起こった事実を素直に伝えましょう。時間が経てば経つほど、相手側の不信感が大きくなってしまいます。

ていねいに、ゆっくり、わかりやすく

 これは言うまでもありません。話し方は、ていねいに、ゆっくり、わかりやすくです。
 早口で、専門用語を多用したりするのは論外です。

 例えば、「大腿骨転子間骨折をしていました」などと伝えても、相手はちんぷんかんぷんです。「大腿骨転子間骨折と言って、足の付け根の部分の骨が折れていました」などとわかりやすく説明をします。

まとめ

 事故報告は、「結論を最初に言う」「事実を正確に」「言い訳はしない」「わかりやすく」です。

 それでも、事故の報告はイヤなものですね・・・。