介護は一人ではできない 機械に置き換えられない仕事
昨日の記事では、「介護職と看護職の間に確執が生まれるのは、介護職は看護職を頼ることができるけど、看護職はすぐそばに頼れる人がいないから」ということを書きました。
私がそういうふうに感じるようになったのは、相談員をするようになってからです。
私は現場上がりの相談員
介護事業所の生活相談員は、例えば福祉系大学を卒業して社会福祉士を取得した人が新卒で務め始めたりする場合があります。
私の場合はちがいます。
私は、未経験の介護職から始めて、介護福祉士を取得し、現場の監督職などを務めながら介護支援専門員を取得し、生活相談員を務めるようになりました。
そしてこの春には、社会福祉士を取得しました。
未経験の介護職から始めて、この業界9年目です。
それが良いとか悪いとかいう話しをしたいわけではありません。
最初は看護職のことが怖かった
最初、介護職を始めたばかりの時は、正直言って看護職のことが怖かったです。
報告や相談をしても冷たくあしらわれたりすることも多々ありました。
それはやはり、私に経験も知識も無さすぎて、報告や相談の仕方、内容などが的を射ていなかったのだと思います。
私が、あまりにも頼りない介護職だったからなのだと思います。
そうした介護職が職場に居たら、看護職もさぞかし疲れるだろうし、気分が悪くなるのももっともだと思います。
介護の作業だけを行うのは介護作業員
介護の仕事というのは、言うまでもなく様々な職種の連携により成り立っています。
介護職は、オムツ交換や入浴、食事介助といった介護の作業だけができてもダメなのです。
介護の仕事が様々な職種の連携により成り立っているわけですから、介護職には看護職との連携も求められるのです。
介護の作業だけを行っていてはダメなのです。
介護の作業だけを行うのは「介護作業員」で、「介護職」と呼ぶことはできないのです。
実際の介護の現場では、介護の作業だけ行う介護作業員ともいえる人が存在しているのではないでしょうか。
だから、看護職との確執が生まれるのではないでしょうか。
いつも言いますけど、これは私の持論、私が思うことなので根拠はありません。
私の体感として、そのように感じているのです。
頼りにされるようになったら、やりにくさは感じなくなった
今私は、生活相談員として務めていますが、介護職を務めていた時のような看護職とのやりにくさは感じていません。
今はやりにくさを感じていませんが、相談員を始めた当初はやりにくさを感じていました。
それは、私がまだ相談員として看護職から頼りにされていなかったから、だと思います。
今それを感じないのは、看護職から頼りにされるようになったから、ではないかと思うのです。
なんか自分のことをペラペラ話すのは気持ち悪いですね。
でも、自分の思い込みかも知れないけれど、そういうふうに体感しているのだから仕方ありません。
利用者のことを見ない相談員なら要らない
私は、現場上がりの生活相談員です。
だからというわけではないですけれど、現場をうろうろしています。
現場をうろうろして利用者の様子を見ているし、介護職や看護職の様子も見ています。
出勤している時には必ず、朝・夕の食事介助をします。
現場をうろうろしていて、利用者が「トイレ連れてって~」と叫んでいればトイレにお連れすることもあります。
口の汚れている人が気になれば、口腔ケアもします。
時には入浴介助もします。
「相談員はそういうことをしろ」と言っているわけではありません。これは私が勝手にやっていることですから。
現場で直接介助をする必要はないけれど、「利用者のことを見る」ことは絶対に必要です。
利用者のことを見ない相談員、事務所でPCの画面とにらめっこしている相談員なら要らないです。
利用者のことを見て気になることがあったら、介護職や看護職から相談を受ける前にこっちから介護職や看護職に相談します。
体調をくずしている利用者が居たら、「〇〇さん調子悪いみたいですけど、受診しましょうか」と、こっちから看護職に相談する時もあります。
看護職は利用者のことに不安を感じていますから、こっちから先回りして相談すると安心できるのではないかと思います。
それぞれの立場で頼りになる存在になる
介護の仕事は、様々な職種の連携により成り立っています。
一人で行うことはできないのです。
それぞれの職種で、それぞれの立場で頼りになる存在にならなければならないのだと思います。
「介護の仕事は機械に置き換えることができない」と言われるゆえんではないでしょうか。
「頼りになる」という言葉が出てきたので、次はそのことについて書いてみたいと考えています。